2019年1月24日木曜日

巳亥


#『説文解字』では、「荄也。十月,微陽起,接盛陰。従二,二,古文上字。 一人男,一人女也。从乙,象子咳咳之形。《春秋伝》曰:亥有二首六身。凡亥之屬皆从亥。」と記されており、和訳すると次のようになる。
「根である。十月、(かす)かに陽気が起こり、盛況な陰の気が接する。から派生し、という文字は古文におけるの字と同じである。(の下に描かれているのは人という字であり、)一人(右側?)が男、一人(左側?)は女である。これらはという文字から派生した。 (左側の人という字は)子を抱えており、咳咳(屈みこむ)形に(かたど)る。《春秋伝》では、亥は二つの頭部と六つの身体を有する」という意味になる。しかし、上記の『説文解字』の解釈に対して、多くの辞典は『説文解字』を支持せずに、「亥」の解字は豚やイノシシを象った漢字であると記している。
その中で白川静の説は「獣の形。祟りをもたらす呪霊を持つ獣を横から見た形」と解釈されている。甲骨文や金文で描かれた「亥」という漢字の字形を見ていただくと、甲骨文の上部に描かれた一本の横線が、金文では二本の横線あるいは一つの点と横線に変化していることが確認できる。
ところで、部首が「二部」の漢字を題材にした記事で幾度か書いているのだが、この「二本の横線」というのはを表現したものである。
甲骨文では一本の横線で地面を示していたが、それをより明確に指し示すために、金文では「二本の横線」でを表すようになったのだ。
そして、「亥」という漢字は、「二本の横線」で示した天地の部分から下に伸びる線を描いて、植物の根を指し示しているのだ。
ゆえに、「亥」は、植物の根を象ったものと天地を表す二本の横線を成り立ちとする漢字であり、六書(りくしょ)象形ではなく指事文字に分類する。 また、『説文解字』で「(左側の人という字は)子を抱えており」という表現は、植物の根や地下茎といった地下に伸びた部分が肥大化して養分を蓄えた器官である芋をたとえているのである。
芋は秋の季語でもあり、芋の収穫を終えた時期が「亥」の月、今の11
い(亥)十二支の十二番目。(いのしし)にたとえる。
時刻は21:0023:00月は陰暦10月、今の11月、方角は北北西。


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